AIエージェント実務活用

週報をAIで自動作成する仕組み|集計・未報告・承認を分ける

週報の集計、AIによる説明文、承認後の共有を分けて設計します。SUMIFSの期間条件、ゼロと未報告を分ける比較例、原因を作らせない依頼文を掲載。定時実行のタイムゾーンと再実行時の改訂管理も確認できます。

複数の元資料と短い週報を照合する週末のオフィス作業イメージ
目次
  1. 最初に、週と締め切りの意味を決める
  2. 数値は集計処理で確定し、AIには文章を頼む
  3. 「ゼロ」と「未報告」は別の値にする
  4. 下書きには、AIが使える根拠を限定する
  5. 定時実行は、下書きが安定してから加える
  6. PCを閉じていても、決めた時刻に下書きを作りたい場合

毎週、各担当者の報告を集め、数値を足し、前週との違いを書き、部長へ送る。週報づくりをAIに任せたくなる仕事ですが、文章が整っていても、一人分の未報告がゼロとして集計されれば、部門の状況を誤って伝えてしまいます。

週報の自動化では、数字の確定、説明文の下書き、承認後の共有を分ける設計が適しています。AIには、確認済みの集計表から重要な変化を説明してもらいます。欠けた報告を補ったり、増減の原因を作ったりする役にはしません。

最初に、週と締め切りの意味を決める

「今週の売上」だけでは、月曜から日曜なのか、月曜から金曜なのか、週末の計上を含むのかが分かりません。まず次の項目を決めます。

設計項目 架空の営業支援チームの例
集計期間 月曜0時以上、翌月曜0時未満。日本時間
作成時刻 翌月曜9時に下書きを作る
データ確定 元システムの確定時刻を確認し、遅延分は改訂扱い
対象 受注が確定した案件。見込案件は別集計
共有条件 担当者が数字と未報告一覧を確認してから共有
改訂 対象週は同じまま版番号を増やし、変更理由を残す

この例なら、日曜の夜に入った案件を翌週へ押し出しません。時刻を扱うデータでは、元システムと集計処理のタイムゾーンもそろえます。祝日や締めの遅延がある業務は、曜日だけで実行してよいかを別に決めてください。

数値は集計処理で確定し、AIには文章を頼む

データは、受注ID、計上日、担当者ID、金額、状態を同じ列でそろえます。金額の合計は表計算やデータベースなど、条件を再現できる方法で計算します。

MicrosoftのSUMIFS関数は、複数条件を満たす値の合計に使えます。たとえばA列が計上日、B列が状態、C列が金額、E1が週初日、F1が翌週初日なら、次のように条件を表せます。日付列が文字列ではなく日付値であることが前提です。

=SUMIFS(C2:C100,A2:A100,">="&E1,A2:A100,"<"&F1,B2:B100,"受注")

この式には、重複案件を取り除く機能はありません。受注IDの重複を別に確認し、同じ案件の更新履歴をすべて売上として足さないようにします。数字の根拠を残すため、集計時に使った元データと条件も保存します。

「ゼロ」と「未報告」は別の値にする

架空の3人の報告を比べます。金額は説明用です。

担当 前週 今週 入力状態
A 12万円 15万円 報告済み
B 8万円 0円 受注なしと報告済み
C 10万円 未確定 未報告

前週の合計は30万円です。今週確認できた金額は15万円ですが、Cの値がないため、「部門売上が50%減少」とは言えません。正しくは「報告済み2人の計は15万円。Cは未報告のため部門合計と前週比は未確定」です。

同じ担当者だけを比べるなら、A・Bの前週計20万円に対して今週15万円で25%減です。ただし、これを部門全体の前週比として示さず、「報告済みの同じ2人に限った比較」と書きます。どちらを週報に載せるかは、読み手に必要な判断から選びます。

下書きには、AIが使える根拠を限定する

以下の確定集計表と確認済みメモだけで、部門週報の下書きを作ってください。
構成:今週の状況/前週との違い/判断が必要なこと/未報告・未確認。
数字は集計表をそのまま使い、空欄をゼロにしない。
比較対象がそろわない前週比は出さない。
増減の原因は、確認済みメモに根拠がある場合だけ書く。
原因が分からない場合は「原因未確認」とする。
各説明に、集計表の行IDまたは確認メモIDを付ける。
文章の自然さのために、不足情報を補わない。

この依頼文と一緒に、集計表の定義を渡します。「問い合わせ数」が受付件数か、対応した顧客数かによって説明が変わるためです。前回の週報の文章だけを渡して続きを書かせると、先週の理由が今週にも残ることがあります。

週報の完成形・架空例

状況:A・Bの報告を受領し、受注額は計15万円。Cは未報告のため部門合計は未確定。

比較:同じA・Bの前週計20万円に対して5万円減。減少の理由は今回の資料では確認できない。

判断・対応:Cへ報告を依頼し、受領後に部門合計を再計算する。現時点では部門全体の増減評価を保留する。

定時実行は、下書きが安定してから加える

手動で一週分を処理し、欠損や重複も確認できたら、定時実行へ進めます。n8nのSchedule Trigger公式説明では、間隔や曜日・時刻を指定でき、ワークフローを保存・公開する必要があります。実行時刻はワークフロー、またはインスタンスのタイムゾーン設定に依存します。

定時起動は、必要なデータがそろったことを保証しません。取得失敗、更新時刻、報告者の一覧を確認してから集計へ進む分岐を用意します。データ不足なら「未完成の下書き」として保存し、確定版と同じ共有先へ流さない構成にします。

同じ週を再実行した際も、新しい週報として何度も送らないようにします。対象週と部門を識別するIDに、版番号と承認状態を付け、修正版を作った理由が分かるようにしてください。具体的な復旧の決め方は、AI自動化の例外処理で扱っています。

PCを閉じていても、決めた時刻に下書きを作りたい場合

週報の内容と確認手順が決まったら、次の負担は「担当者が毎回処理を起動すること」です。ロリポップ!AIエージェントクラウドはクラウド上の常時稼働と定期実行に対応し、サーバーを一から用意する手間を抑えたい人に向きます。

既存のn8n Cloudなどで定時実行できるなら、その環境を使えます。新たにエージェントを動かす場所が必要な場合に、月額1,200円と別途のAI利用料、社内データへの接続方法を比べてください。この記事のSUMIFSや承認手順をそのまま取り込む機能とは別なので、集計済みデータをどう渡すかまで決めて選びます。

最初の一週は、数字、比較対象、未確認が分かれた下書きを作り、担当者が承認して共有するところまで通します。この手順が安定してから定時実行へ移せば、毎週の作業を減らす範囲が明確になります。

参考資料・出典

機能・分析方法に関する参照資料は2026年9月22日に確認しました。業務例・数値例・依頼文は編集部の提案で、実測結果や効果の保証ではありません。アイキャッチはAI生成の説明用イメージです。

  1. ロリポップ!AIエージェントクラウド(確認日:2026年9月22日)
  2. Microsoft:SUMIFS関数(確認日:2026年9月22日)
  3. n8n:Schedule Trigger(確認日:2026年9月22日)