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アンケートの自由記述をAIで分類する|分類表・集計・報告の作り方

自由記述を短く要約するだけで終わらせず、改善案につながる分類表を作ります。5件の架空回答から、複数分類、肯定と改善希望の混在、分母の書き方を説明。少数意見も残し、次回と比較できる記録にまとめます。

匿名の意見カードをテーマごとに分け複数の意見を持つ回答も確認するイメージ
目次
  1. 何を決めるためのアンケートかを一つにする
  2. まず5件を読み、分類の境界を決める
  3. 一回答に、複数の分類を付けてよい
  4. 回答が増えたら、ファイルから読めるAIを選ぶ
  5. AIへの依頼は、分類結果の根拠も残す形にする
  6. 多い意見と、先に直す問題を同じにしない
  7. 次の回でも使えるのは、要約より分類表

研修後のアンケートが集まり、自由記述をAIに要約してもらう。「満足度は高い一方、時間配分に改善の余地がある」という文章だけでは、次回のどこを直すべきか判断しにくいままです。

自由記述の分析では、回答IDと元の言葉を残し、分類のルールを決めてから数える方法が役立ちます。一つの回答に複数の意見があることも、少数でも見逃したくない指摘があることも、要約で消さないようにします。

ここでは、社内研修の架空回答5件を使い、分類から改善案までをつなげます。AIによる分類精度を測った実験結果ではなく、担当者が処理方法を試すための例です。

何を決めるためのアンケートかを一つにする

今回決めたいのは、「次回研修の内容と時間配分をどう変えるか」です。この目的なら、教材、演習時間、質問対応、運営などの分類が役立ちます。「好意的か否定的か」だけでは、どこを直せばよいか分かりません。

評価点がある場合も、自由記述とは別列で残します。高評価の人が改善点を書いたり、低評価の人が教材だけを褒めたりすることがあります。AIに評価点から文章の感情を推測させないようにします。

原本には回答IDを振り、分析用データから氏名・メールなど不要な個人情報を除きます。少人数の部署名や具体的な出来事だけで人が分かる場合もあるため、共有資料へ載せる引用は内容と範囲を選びます。

まず5件を読み、分類の境界を決める

分類名だけをAIに渡すより、入れる内容と入れない内容を短く決めた方が、担当者間の解釈をそろえやすくなります。

分類 入れる内容 別の分類へ分ける内容
教材 説明資料、事例、配布物 実習する時間の長短
演習時間 実習の長さ、進行速度 休憩や会場の問題
質問対応 質問機会、回答の分かりやすさ 教材だけへの評価
運営 音声、会場、休憩、案内 授業内容の難しさ

CDCの質的データ分析の解説でも、文脈を読み、分類の定義と適用ルールを記したコードブックを用意する考え方が示されています。ここで使う4分類は、その考え方を研修の改善に合わせた編集部の例で、標準として決められた分類ではありません。

分類しにくい回答を無理に「その他」へ押し込まず、分類を追加すべきか、今回の目的と関係しないかを判断します。途中で分類を変えたら、前に処理した回答にも同じルールを適用します。

一回答に、複数の分類を付けてよい

架空回答と、分類の一例を並べます。

ID 自由記述 分類 残す意味
A01 事例は分かりやすいが、練習が途中で終わった 教材・演習時間 教材は肯定、演習時間は不足
A02 説明より演習を長くしてほしい 演習時間 時間配分の変更希望
A03 質問できて疑問が解消した 質問対応 継続したい良い点
A04 後方席で音声が聞き取りにくかった 運営 受講環境の問題
A05 教材を後から見直せた 教材 配布物の価値

表が収まらない場合は、左右に動かして読めます。

A01を「不満」にだけ分類すると、教材への評価が消えます。「教材・肯定」「演習時間・改善希望」のように、テーマごとの意味を残す方が改善に使えます。

集計すると、教材2件、演習時間2件、質問対応1件、運営1件です。回答は5件ですが、分類の延べ件数は6件になります。報告では「5回答、複数分類あり」と明記し、合計が100%になる円グラフにはしません。

件数から言えること・架空例

今回の5回答では、演習時間への改善希望が2件あった。教材への言及も2件あり、いずれも肯定的だった。音声の聞き取りにくさは1件で、次回の会場確認項目に入れる。

「受講者の40%が不満」とは書かない。分母は自由記述を出した5回答であり、全受講者数や未回答者の考えまでは表していない。

回答が増えたら、ファイルから読めるAIを選ぶ

毎回、回答をチャットへ小分けに貼るところで時間がかかるなら、Excelファイルを扱えるAIへ切り替える理由があります。Notta BrainはExcelファイルの分析に対応しており、回答ID付きの一覧を材料に分類を依頼できます。

選ぶときは、きれいな要約より「A01の肯定と改善希望を分けられるか」「全IDを返せるか」を見てください。今回の5件を試験用に使えば、自分の分類ルールで使えるか判断できます。件数の合計は引き続き表計算で確かめます。

一度だけ少数を扱うなら今の環境で十分です。定期アンケートを繰り返すなら、Notta Brainのクレジットと利用量を比べ、ファイルを渡す手間まで減るかを含めて選んでください。

AIへの依頼は、分類結果の根拠も残す形にする

次回研修の内容と時間配分を改善するため、自由記述を分類します。
添付した分類表の定義を使ってください。
出力:回答ID、分類(複数可)、分類ごとの意見、根拠となる原文、要確認理由。

肯定と改善希望が混在する場合は分けて残す。
書かれていない不満・原因・人物像を推測しない。
分類が合わないものは要確認へ分ける。
空欄は回答なしとし、肯定・中立へ数えない。
最初は指定した少数の回答だけ処理し、ルール確認後に続きを行う。

最初の確認では、分類が分かれそうな回答を優先して読みます。「難しかったが役立った」のような文章を、難しさだけで悪い評価にしていないかが見どころです。AIが迷った行だけでなく、迷わず誤分類した行を見つけるため、通常判定の回答も選んで確認します。

AIの出力に欠けたIDや重複IDがないことを確かめてから、表計算などで件数を集計します。文章を要約するAIに、回答の拾い上げ・分類・合計・報告までを一度で任せると、どこで数字がずれたか追いにくくなります。

多い意見と、先に直す問題を同じにしない

改善の優先度は件数だけで決まりません。教材の文字サイズについて十件、音声が聞こえず内容を理解できなかったという指摘が一件あったとしても、一件の問題を後回しにしてよいとは限りません。

この例なら、演習時間は次回の構成を変えて試し、音声は開催前に後方席で確認します。質問対応と配布教材は、良い評価の理由を壊さないよう継続します。すべてを改良対象にするより、「変えること」と「残すこと」を並べると施策が具体的になります。

担当者が実施できる改善案にするため、最後は次の形にします。

次回は説明の重複を削り、演習枠を増やす案を講師と調整する。削る説明は教材への評価を踏まえて選ぶ。開催前に後方席の聞こえ方を確認する。変更後は同じ質問で反応を集め、比較時には受講者構成の違いも記録する。

この文章は、アンケートに書かれた事実ではなく、担当者の提案です。報告で二つを分けて表示してください。

次の回でも使えるのは、要約より分類表

分析が終わったら、分類の定義、迷った回答の扱い、件数の分母を一緒に保存します。次回だけ分類名や意味が変わると、増減を比べても本当の変化なのか判断できません。

集計からグラフ・説明文へ進める際は、CSV分析の手順も使えます。Notta Brainなどで分類した場合も、最終の分類表と判断した理由を手元へ保存します。

短い要約で終えるより、元の意見へ戻れる分類表を残す。その方が、同僚と改善案を話し合うときにも、次のアンケートと比較するときにも役立ちます。

参考資料・出典

機能・分析方法に関する参照資料は2026年9月22日に確認しました。業務例・数値例・依頼文は編集部の提案で、実測結果や効果の保証ではありません。アイキャッチはAI生成の説明用イメージです。

  1. Notta:ファイルのアップロードと分析(確認日:2026年9月22日)
  2. CDC:質的データの収集と分析(確認日:2026年9月22日)