資料・PowerPoint・Excel・文書

Excelの名寄せにAIを使う方法|表記ゆれと別会社を分ける

似た社名を一社にまとめる前に、法人・請求先・配送先のどれをそろえるか決めます。架空の5行で、表記ゆれ、支店、別法人の扱いを解説。元の行IDを残す対応表と、AI・Power Queryを使う際の確認手順を紹介します。

PR:この記事には広告を含みます。

似た表記の取引先カードを照合し同一候補と別会社を分けるイメージ
目次
  1. 法人をまとめるのか、請求先を分けるのか
  2. 原表の横に、照合用の列を作る
  3. 架空の5行で、どこまで自動化するか決める
  4. Excelの処理を組むか、ファイルをAIへ渡すか
  5. AIには、対応先と理由を一組で返してもらう
  6. Excelでできる処理と、AIに任せる処理を分ける
  7. 完了の判定は、重複件数だけでしない

取引先一覧に「青葉商事株式会社」「青葉商事(株)」「青葉商事」が混ざっている。AIに名寄せを頼むと一つにまとめてくれますが、本当に同じ会社なのか、支店を分けて管理すべきなのかまでは、名前だけでは決まりません。

名寄せで先に決めるのは、表記をきれいにすることではなく、何を同じ一件として数えるかです。AIは表記ゆれの候補探しや確認理由の整理に使い、確定した取引先IDへの対応表を残します。元の一覧を直接書き換えなければ、判断をやり直せます。

法人をまとめるのか、請求先を分けるのか

法人単位の売上を見たいときと、請求書の宛先を整えたいときでは、正しい統合方法が変わります。

目的 同じとみなす単位 勝手にまとめないもの
法人別の売上集計 一つの法人 同名の別法人
請求先一覧の整理 請求先として登録された単位 本社と支店、部門別の請求先
配送先の整理 実際の配送場所 同一法人の別倉庫・別店舗

たとえば、同じ法人の東京営業所と大阪営業所は、法人別集計ではまとめられても、配送先では別です。AIへの依頼には「法人単位で候補を探す。拠点IDは残す」のように目的を書きます。

社名と住所だけでも取引関係が分かることがあります。利用が認められたAI環境を使い、不要な担当者名・電話・メール・口座情報は入力から外してください。仮名にしたデータで処理手順だけ試す方法もあります。

原表の横に、照合用の列を作る

元の社名は残し、比較に使う値を別列に作ります。最低限、原表の行ID、元の社名、照合用社名、既存取引先ID、拠点情報、確認に使った情報を持たせます。

全角・半角や空白の扱いをそろえる処理と、「同じ会社だ」と決める処理は分けてください。「株式会社」を取り除けば似た文字列を探しやすくなる一方、その結果だけで同一法人とは確定できません。会社名に意味を持つ語まで削ると、別会社の区別がなくなります。

原表 → 照合用の値 → 同一候補 → 確認済みIDの順に残します。

AIが作るのは途中の「候補」。承認前に顧客マスターを統合・削除しない構成にします。

架空の5行で、どこまで自動化するか決める

次は、法人単位の集計をしたい場合の例です。取引先IDは既存の社内マスターで確認できるものとします。

行ID 元の社名 手がかり 今回の扱い
R01 青葉商事株式会社 取引先ID C101 C101に対応
R02 青葉商事(株) 同じ取引先ID C101 C101に対応。元表記は保存
R03 青葉商事 大阪営業所 法人IDはC101、拠点IDはB02 法人集計はC101、拠点は維持
R04 青葉商事 IDなし、住所が別 同一候補。住所変更か別法人かを確認
R05 青葉商事サービス株式会社 取引先ID C209 C209のまま。似た名前でも統合しない

表が収まらない場合は、左右に動かして読めます。

R04をAIが高い確信度でR01と同じと答えても、手がかりは増えていません。確信度を根拠の代わりにせず、誰がどの資料で確認するかを決めます。

逆に、社内の確認済みIDが一致していても、そのIDが誤入力されている可能性はあります。名前・住所が大きく矛盾する行は、完全一致の処理からも例外として外します。

Excelの処理を組むか、ファイルをAIへ渡すか

毎月同じ一覧を整理するなら、ExcelのPower Queryで確認済みの対応を再利用する方法が向きます。対して、まだ照合ルールが決まらず、似た社名の候補と確認理由を一緒に整理したい段階では、Excelファイルを読めるNotta Brainが選択肢です。 チャットへ表を何度も貼り分けず、ファイルを材料に質問できます。

公式ヘルプでExcelのxlsx・xls形式への対応を確認できます。名寄せ専用のマスター管理ソフトではないため、ここでは候補表を作る補助として使います。顧客台帳を直接更新する使い方にはしません。

選びたい進め方 合う方法
既存の取引先IDで毎月同じ結合をする Excel/Power Queryで処理を再利用する
IDがない行の候補と確認理由を整理する Notta Brainへ分析用ファイルと照合条件を渡す
全社の顧客マスターを統合して更新する 管理者と既存システムの更新手順を決める

この記事の架空5行をExcelに入れ、R04を確定せず残せるか、R05を別会社として扱えるかを試してください。これができなければ実データへ広げず、依頼文を調整します。料金で迷う場合は、Notta Brainの無料版・有料版の違いから、分析する量に合う範囲を比べられます。

AIには、対応先と理由を一組で返してもらう

法人単位の集計のため、社名の名寄せ候補を作成してください。
入力の行IDと元の社名は変更しないでください。
出力列:行ID、候補取引先ID、候補理由、矛盾する情報、確認事項。

確認済みの取引先IDがない場合、名前の類似だけで確定しない。
本社・支店の拠点情報は消さない。
同名の別法人、住所変更、関連会社の可能性があれば確認待ちにする。
候補がない行も省略せず「候補なし」と返す。

結果を受け取ったら、入力行IDが全件あるか、同じ行IDが二度出ていないかを先に見ます。きれいな候補表でも、元の行が脱落していれば集計には使えません。

毎回同じ表記ゆれが出るなら、確認済みの対応だけを「元の表記→取引先ID」の辞書へ追加します。一度確認した判断を、次回もAIに推測させ続ける必要はありません。

Excelでできる処理と、AIに任せる処理を分ける

すでに取引先IDがあるデータなら、そのIDをキーにした結合や検索を先に使います。AIは、IDがない行の候補説明や、処理ルールの草案を作る役に回します。

MicrosoftのPower Query公式案内には、テキスト列のマージであいまい一致を使い、類似度のしきい値や変換テーブルを指定する方法があります。対象はExcel for Microsoft 365として案内されています。利用できる環境であれば、繰り返し処理の候補になります。

ただし、類似度は文字列の似方を測るものです。しきい値を高くしたから同一法人を保証できるわけではありません。候補を少なくしたいときも、誤って一社へまとめる損失と、別々に残る損失を比べて設定します。

完了の判定は、重複件数だけでしない

名寄せ後の会社数が減ったことを、改善の証拠にするのは早計です。誤統合でも件数は減るからです。処理前後で次を確かめます。

  • 原表の全行に、確定ID・確認待ち・候補なしのどれかが付いている。
  • 売上などの数値を集計した場合、対象と除外条件をそろえた総額が一致する。
  • 別法人と分かっている似た名前が、同じIDへ入っていない。
  • 確認待ちを、ゼロ件や不要な行として集計から落としていない。

確認待ちが残る場合は、集計表にも「未確定分」を別枠で示します。どの取引先へ配分するかは未決でも、金額が存在することは隠さず伝えられます。

表の整形や関数でつまずく場合は、Excel作業にAIを使う基本手順へ。Notta Brainで候補表を作った後も、確定した対応をExcel側に保存し、翌月の同じ照合へ使える状態にします。

最初の成果物は、重複のない「きれいな名簿」ではなく、元の行と確定IDをたどれる対応表です。間違いに気付いたとき、一社だけ安全に戻せる状態まで作っておくと、次の集計でも使えます。

参考資料・出典

機能・分析方法に関する参照資料は2026年9月22日に確認しました。業務例・数値例・依頼文は編集部の提案で、実測結果や効果の保証ではありません。アイキャッチはAI生成の説明用イメージです。

  1. Notta Brain 公式(確認日:2026年9月22日)
  2. Notta:ファイルのアップロードと分析(確認日:2026年9月22日)
  3. Microsoft:Power Queryのあいまい一致(確認日:2026年9月22日)