AIエージェント実務活用

AIのマルチエージェントとは?調査・作成・確認を分担する方法

生成AIのマルチエージェントで、調査・作成・確認を分担する方法を紹介。同じ資料を三つのメモへ受け渡す例と、別チャットの練習・OpenClawでの連携の違いを整理します。

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調査・作成・確認の三つの作業画面を担当者が順に確認するデスク
目次
  1. 一つのAIで進める場合と、役割を分ける場合
  2. 同じ資料を、調査メモ・比較メモ・確認メモへ渡す
  3. 各役へ、入力・出力・やらないことを伝える
  4. 人が順番を決める練習と、自動連携を区別する
  5. OpenClawで複数作成できる範囲と、運用の設定
  6. 確認の手間と費用を見ながら、役割を増減する

AIのマルチエージェントは、複数のAIへ役割を分け、仕事を進める使い方です。たとえば、調査役が集めた根拠を作成役が文章へまとめ、確認役が元資料と比べます。各役が何を受け取り、何を返すかを決めると、誤りが見つかったときの戻し先も分かります。

最初は、人が別々のチャットへメモを渡す練習から始められます。これは、実際のエージェント同士が自動で連携する仕組みとは別です。練習で受け渡しを確かめ、繰り返す価値がある仕事に連携を設定していきます。

分担する前に

役割の名前だけでなく、入力・完成形・戻す条件を決めます。調査・作成・確認の三役は一例です。短い仕事なら、一つのAIと人の確認で進められます。

一つのAIで進める場合と、役割を分ける場合

短い社内要約や、一つの資料の整理なら、同じAIへ順に頼む方法が手軽です。役割を増やすと、メモの受け渡しや利用料、待ち時間も増えます。

一方、複数資料の収集、文章の作成、出典との確認を切り分けたい仕事では、分担を試す意味があります。「誰の段階で数値を取り違えたか」「どの材料を補えば直るか」を追えるからです。複数AIが同じ答えを出したこと自体を、正しさの証明にはしません。

同じ資料を、調査メモ・比較メモ・確認メモへ渡す

「競合三社の新機能を調べ、部長向けに一枚のメモを作る」という架空の仕事を考えます。次の資料A〜Cを使って、メモの受け渡しを見ます。

資料 入力する記載の例
A社のお知らせ 10/1、法人向けに共有フォルダー機能を提供開始。対象は有料プラン
B社のお知らせ 10/5、検索機能の試験提供を発表。正式提供日は未定
C社の料金案内 法人向けは見積もり。料金の具体額は記載なし
01

調査役

調査メモ

分かったこと、URL、確認日、不明な点を残します。

02

作成役

比較メモ

調査メモだけを使い、読みやすくまとめます。

03

確認役

確認メモ

間違い、抜け、言いすぎがないかを確認します。

調査役が渡すメモ

R1:A社は10/1に共有フォルダーを提供開始。対象は有料プラン。【資料A】

R2:B社は10/5に検索機能の試験提供を発表。正式提供日は未定。【資料B】

R3:C社の法人料金は見積もり。金額は不明。【資料C】

実際のWeb調査では、資料名に加えて元URL、記載箇所、確認日を残します。見つからない条件は、調べた範囲と不明点を返します。きれいな文章にすることより、作成役が根拠へ戻れることを優先します。

作成役が返す比較メモ

作成役には、読み手と用途を伝えます。

部長が来週の提案資料で触れる機能を選ぶため、R1〜R3を一枚にまとめてください。
確認済みの変更、提案への影響の候補、要確認を分けます。
調査メモにない料金や提供日を追加せず、各項目にR番号を付けてください。

出力の一部が「B社の検索機能が正式提供された」となった場合、その文章はR2と一致しません。作成役が、試験提供を正式提供へ変えてしまっています。

確認役が返す指摘と、修正後の文

指摘:比較メモのB社の項目で「正式提供」と書かれている。R2は試験提供で、正式提供日は未定。材料は足りているため、作成役へ戻す。

修正後:B社は検索機能を試験提供している。正式提供日は未定なので、顧客へ案内する前に提供条件を確認する。【R2】

資料Aに対象プランの記載が見つからないなど、根拠そのものが不足していれば調査役へ戻します。文が読みづらい場合は作成役へ戻します。確認役へ全文を書き直させる前に、場所と理由を返す形にすると、修正の担当を選べます。

各役へ、入力・出力・やらないことを伝える

役割の指示は、「優秀な調査担当」などの肩書きだけで終わらせません。何を渡し、どんなメモにし、分からないときにどう返すかを指定します。

調査役
入力:対象企業、調べる機能、対象期間、優先する公式資料
出力:事実、元URL、記載箇所、確認日、不明点
未確認の条件は補わず、理由を残す

作成役
入力:調査メモ、読み手、用途
出力:比較メモ。根拠の番号を付け、提案と事実を分ける

確認役
入力:調査メモ、比較メモ、確認基準
出力:問題箇所、理由、戻し先。問題がなければ確認した範囲を返す

確認役は元の出典へ戻り、対象や日付が合っているか、事実に推測が混ざっていないかを見ます。読み手に必要な結論があり、その相手へ共有してよい内容かも確かめます。全仕事で同じ項目数へそろえず、誤ると困る条件を選びます。

元のメモと整理した資料を並べ、内容を確認する担当者

人が順番を決める練習と、自動連携を区別する

最初の練習は、人が調査メモを作成用チャットへ貼り、完成したメモを確認用チャットへ渡す方法で進められます。別チャットにしただけで、共有ファイルや進捗が自動的につながるわけではありません。

01受付人が目的と範囲を承認
02調査調査メモを作成
03作成指定形式へ変換
04確認合否と戻し先を記録
05やり直し該当する役へ戻す
06承認人が根拠と共有先を確認

実際のマルチエージェント連携では、この受け渡し先や実行順、修正後の再確認まで設定します。自動でやり直す場合も、同じ失敗が続く、元資料を読めない、予定した利用量を超えるなど、人へ戻す条件を仕事に合わせて決めます。三役や再試行二回を、すべての仕事の固定ルールにする必要はありません。

定例調査そのものの運用は毎週の競合調査を任せる方法、どんな仕事を任せるかはAIエージェントの仕事選びで考えられます。

OpenClawで複数作成できる範囲と、運用の設定

ロリポップによると、AIエージェントクラウドではOpenClawのエージェントを複数作成できます。Hermes AgentとNanoClawは、仕様上1契約につき1体です。

この記事の調査→作成→確認を動かすには、各役の入力先と渡すファイルをつなぎ、結果の確認方法を設定します。料金は税込月額1,200円で、外部LLMをAPI接続する場合はその利用料も考えます。

選ぶ環境の違いはOpenClaw・Hermes Agent・NanoClawの比較で、環境の費用はAIエージェントクラウドの料金で確認できます。定時の準備が必要な場合は毎朝の情報収集の使い方も参考になります。

確認の手間と費用を見ながら、役割を増減する

記録する項目 見ること
出典漏れ 大切な数字や説明にURLがない件数
余計な記述 調査メモにない事実・断定を加えた件数
やり直し 理由、戻し先、回数、直ったか
人の確認 数字・日付・引用の確認にかかった時間
利用量と時間 エージェント数を増やした負担に見合うか
停止 同じ失敗、アクセス不能、上限超過が起きたか

同じ資料を一つのAIで進めた場合と、役割を分けた場合で、必要な確認や受け渡しの手間を見ます。差が小さければ、確認役だけを分けるなど、役を減らしてかまいません。

複数のAIへ仕事を渡す環境を探している方は、対応機能と料金を確認してみてください。

参考資料・出典

本文で案内する機能・条件は2026年10月22日に公式資料で確認しました。利用できる機能と契約条件は、ご自身のプランや組織設定でもご確認ください。

  1. ロリポップ!AIエージェントクラウド(複数作成のFAQ)(確認日:2026年10月22日)
  2. LLMのAPIキーを設定する(確認日:2026年10月22日)